50歳から海外でフリーランスとして生きる

ネパールのドアノック文化に見る、コミュニケーションについての考察

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ネパールのポカラ在住、時々日本やタイ、その他いろんな国に出没する、エディター兼ライター兼コーディネイターのみやちか(Chikako Miyamoto)です。今まで培った編集力を駆使して、50歳からのトキメキのある人生を発信し続けるお姉さん。

 

こんにちは、ネパールからmiyachikaです。

早いもので、私の海外暮らしも20年になります。海外暮らしのおかげで(せいで?)、その国の人々を理解しようと、人間観察するのがすっかり癖になってしまった私。

今日は、ドアノック文化に見る人との付き合い方についての私の考察をご紹介します。

 

 

ネパール人はノックしない

 

トントン(ドアノックの音)「○○さん、ちょっといい?」

と言われて、

「は〜い、開いてるからどうぞ」

と返事があって、それで入室する。

これって日本の常識ですよね。

その常識が通用しない国があります。

 

それがネパール!

 

いきなりずかずか入ってきます。

ノックなし。

声かけなし。

不意打ちです。

私が寝てようが、仕事していようが、気にしません。

いやいやいや、一応女性の部屋ですし、プライベートスペースですし、着替えてたりしたらどうするんです?

というような理論はまるっきり通用いたしません、はい。

 

「声くらいかけてよ」というと、

「アンティー、って言ったよ」って言うけど、言いながらドア開けてるし、それじゃ意味ないし…。

土足じゃないだけマシですが、ノックなし、声かけなしに入られるのは、心情的に土足で入られたのも同じこと。

けど、向こうはまるっきり悪気ないんです。

というか、ノックする、声かけするという必要性がある生活をしたことなかったりするんです。

(あ、もしかしてネパールだけじゃなく、インドやアジア全般に共通することかもしれませんね。アジアにお住いの方、あなたの住む国ではどうですか?)

 

 

 

村の農家では、万人を受け入れるべく、いつでもドアは開いている

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ネパールの村の農家に行って、よ〜くわかりました。

村の家は社会に対していつでもオープン。

メインドアは朝開けられ、閉めるのは夜寝る時。家を全員が留守にしない限り、昼間にドアが閉められることはありません。

家の中は最低限の仕切りしかなく、ドアがついていても、開いていることが多いのです。

近所の人も、庭先に人の姿がみえなければ、ずんずんと家の中に入って行きます。

それが普通。

ドアが閉まっていれば留守、開いていれば在宅。いたってシンプルです。

 

まあ〜、ネパールでも都会では、空き巣さんとかたくさんいますから、昼間家にいたとしてもドアを開けっ放しにはできませんし、たいていの場合玄関のドアには鍵がかかっています。

でも、家の中の各部屋は開けっ放しなことも多いです。

お金持ちならいざ知らず、低所得家庭では、一部屋に4人で生活するというのも珍しくありませんしね。

だからね、プライバシーの侵害なんて言葉が通じないんです。

というか、もしかして、ないのか? プライバシーという言葉

そう思っちゃうくらい、ずんずん、ドカドカです。

しかも、勝手に人のタンスとか開けて見るし、アルバムから写真抜き取ってっちゃうし、あ〜〜〜そこは下着だから〜〜〜〜〜!!!

いやはや、そんなの日常茶飯事なんですよ、とほほ。

 

 

ネパール人の辞書にプラバシーとデリカシーの文字はない!?

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そんなこんなの毎日から、ネパール人ってほんとプライバシーって概念が薄いな(持ってないな!?)とは思っていたんですが、ノックなしでずかずか踏む込むのは、部屋のドアだけはなかったことに、最近気がつきました。

そう、人の心にも同じようにノックなしでガンガン入って来ちゃうんです。

デリカシーとか、その場の空気感を非常に大切にする日本人からしたら、これはもう暴挙です。

 

前々から思ってはいました。

ネパール人って空気読めないなとか、デリカシーないよなとか、ずうずうしいよなとか…。

どんなに長く海外に暮らしても日本人的感覚がやっぱり捨てきれない日本人のワタクシにとっては、それはかなりのストレスではありました。

でも、それってネパール人の性格なんだと思ってました。

いや、ネパール人の性格なのかもしれないけど、その背景にドアをノックする習慣がないことがあるってことに(わかりにくい文章ですね、ないことがあるって)最近まで気がつきませんでした。

 

部屋のドアをノックしない人は、

心のドアもノックしない。

 

そういうことです。

多分彼らの心はドアないです。

いつでもオープンハートって言うと、なんだかすごくいい事みたいですけどね、人間性丸出しっていうんですかね〜、裏表もないかわりに、デリカシーもないっていいますか。

一言多いんですよね。

人の欠点とか気にしている事もズバズバ言うし(鼻ぺちゃとか、ハゲとか)。

でもね、それもこれも、ドアをノックする習慣がないことと無縁じゃなかったんです。

そういうことだったんだあと、一人うんうん頷いている私です。

 

 

人の心の扉は、ノックしてから開けよう

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実は、こんな風に思い至ったのは、「ノックする」というある方のブログを読んだからです。

 

そして合点が行きました。

ネパール人とのコミュニケーションで私が何に何故ストレスを感じていたかが。

ノックなしで心の中にずかずか入られることが、心を土足で踏みにじられたような気持ちになるからだったのです。

 

でも、これって、何もネパール人だけに限ったことではありません。

自分だって、知らず知らずのうちに、他人の心にノックなしで入ろうとしていることがあるかもしれません。

特に、自分の子供や配偶者を相手にした時に、ついつい、遠慮がなくなり、ずかずかってやっちゃうこともあります。

だから、ドアはノックしましょう。

ドアが開いていたとしても、まず、声をかけましょう。

お互いが気持ち良いコミュニケーションのために。家族だからこそ、友達だからこそ、親しい中にも礼儀あり!

ネパール人のドアノック文化から、そんなことを考えさせられたmiyachikaでした。

 

 

 

 

 

 

 

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