ネパールに行くなら知っておきたい ネパールの国内線は何故こんなに欠航が多いのか
ナマステ、勝手にネパール観光大使のmiyachikaです。
ネパール旅行で困ることランキングをつくったら、きっと国内線の遅延、および欠航の多さというのが上位に上がってくるに違いありません。
それくらいネパールの国内線は遅延や欠航が多く、スケジュールを変更せざるを得ないことが度々なのです。
ネパールの国内線は、目で見えなきゃ飛べないのです。
私は、かつてポカラで18年間ホテルを経営していましたが、当時から、ネパールの国内線の遅延や欠航の多さには泣かされたものです。フライトがキャンセルになったら、予約も自動的にキャンセルです。
そして、その欠航の多さときたら、日本の国内線感覚だったら、信じられないくらいの多さです。ルクラとかジョムソンとか山の上の飛行場なんて、3日も4日も1便も飛ばないことだってよくあります。
遅延しても飛べばいいのですが、4時間も5時間も待たされた挙句にキャンセルされた日には、1週間といった短期旅行者にとっては、時間のロスが多すぎるというもの。
空港では、遅延とだけ表示されたモニターに戸惑う観光客が、航空会社のスタッフに、いつまで待たせるのか、何時に飛ぶのかを問い詰める姿がよく見られます。でも、スタッフだって、いつ飛ぶかはわからないのです。
なにしろ、遅延の理由は大抵の場合、機体の問題ではなくて、天候の問題だからです。天気が何時に回復するかなんて、お天気のお姉さんだって、正確には言えません。
ネパールの天候はそんなに荒れるのか、と誤解されるといけないので言いますが、天候の問題といっても、いつも暴風雨ってわけじゃありません。曇っているだけでもネパールの国内線は飛べなかったりもするのです。
だって、ネパールの国内線は、有視界飛行なんですから。
パイロットが目で確認して飛んでいます。
レーダーで誘導して飛んでいるわけではないのです。
見えなきゃ飛べないんです。航路上の丘や山が雲で見えない状態だと危険なんです。
また。ネパールは深い霧がよく発生しますが、深い霧で滑走路が包まれているような時も、目視できないので、霧が晴れるのをひたすら待つことに。
こんなことで飛べないの? と日本からの観光客の方は驚かれるのですが、本当にこんなことくらいで飛べないのがネパールの国内線なのです。
国内線が欠航しやすいのは雨期だけとは限らない
ネパールの気候は大きく分けると乾期(4〜9月)と雨期(10〜3月)に分かれます。
雨期は当然、雲も多く発生するし、時には激しい暴風雨や雷雨も降ります。故に雨期の国内線は、遅延や欠航が多くなります。特に6〜8月は雨量も多く、曇りがち。
しかも山の上の飛行場ルクラやジョムソンは雲や霧の流れが早く、天気も変わりやすく危険です。
今まで見えていた景色が、10分後には靄の中、なんてことは度々。
そして、ジョムソンは午後からは谷を南から北に強風が吹き上げるために、午前中しか飛べません。
そんなわけで1週間全便欠航なんてこともあったりするのです。
では、乾期ならそうそう遅延やキャンセルはないのかというと、これまたそうでないから困ります。
12月〜2月の冬にかけては、乾期で雨が降ることはほとんどないのですが、朝深い霧が発生するのです。滑走路は真っ白、30メートル先も見えない状態です。
お昼近くになってやっと霧が晴れ、その日のファーストフライトが午後12時になってしまうことだってあります。
それなら午後のフライトを予約したほうがいいかというと、これまたそうでないので困ります。
何故なら、ファーストフライトが遅れると、順繰りに遅れていって、午後遅い便のフライトは時間切れのため欠航になってしまうからです。
はい、目視できないので、夜は飛べません。夕方で終了です。
ネパールは小さい国なので、国内線も一番遠い路線でも1時間半前後。ツーリストがよく使う路線、ポカラ、ルンビニ、ルクラなどは飛行時間は30分前後。順調に飛べばあっという間なのですが、延々と待たされたりすると半日以上空港で座ることになるので、その点は一応考慮してスケジュールを立てることをお勧めします。
欠航になった時の対応策
遅延しても最終的に飛んでくれればいいのですが、欠航になってしまったらさて、どうするかです。
選択肢は、三つです。
プランA、翌日のフライトに振り替えてもらう。ただし、翌日が満席の場合は、翌々日に回されることもあります。
次のプランBは、チケットをキャンセルして、車あるいはバス移動に切り替えること。ただし、飛行時間約25分、200キロ離れたポカラは、車で移動すると6時間前後かかります。また、ルクラのように車道が通ってないところでは、車移動は不可能です。
三つ目のプランC、これはできれば避けたい選択ですが、最悪の場合は仕方ありません。チケットはキャンセルして、行き先自体の変更(そこには行かないという選択肢も含めて)をするという選択です。
なお、天候不順による欠航の場合は、チケットは全額払い戻しされますが、そのためには、空港で、自分の航空会社のスタッフからキャンセルスタンプを忘れずにもらってください。
また、国内線の欠航により、追加の宿泊費や交通費が派生しても、それに対しての補償はありませんので、自分で宿の手配や市内への足を確保する必要があります。
ネパールの旅はゆとりを持って
忙しい日本の皆様にとって、ご無理なことは重々承知なのですが、不確定要素の多いネパールの旅、スケジュールは、余裕を持って立てたいものです。
もしスケジュール通りに行けば、ラッキーと思うくらいの心持ちで臨めれば、そんなにイライラせずに、ネパールの旅が楽しめるのではないかと思うのです。
遅延、欠航も多い国内線ですが、晴れた日のフライトは、ヒマラヤを眺めながらの最高の気分も味わえます。
ヒマラヤの女神が皆様に微笑みますように!
そして、皆様の旅が思い出深いものになりますように!
それでは、また。
ナマステ〜!
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