ネパール最大のお祭り、ダサインって、どんな祭り?
ナマステ~、ネパールのポカラ在住フリーランスライターのみやちかです。
さて、ネパールは、今、祭りの季節真っ只中!
ネパール最大の祭り、ダサイン~ティハール月間で、なんだか国中が浮き足立っている感じのネパールです。
夏休みは短めのポカラの学校でも、秋の祭り休みには連続1ヶ月休みの学校が結構あります。
会社はさすがに1ヶ月も休みをくれませんので、大人は6日間前後の休みの人が多いようですが、休みの前から、買い出しだ~、帰省用のチケット取らないと~なんて、みんなそわそわ、せかせか。
祭りと祭りの合間に仕事してるって感じじゃね。
みやちか
というわけで、今日は、祭り大好きネパール国民が最も愛する祭り、ダサインについてのお話です。
ダサインとは
ダサインとは、ネパール最大のお祭りで、毎年9月半ばから10月にかけての間に行われ、15日間続きます。
ダサインの最後の日は必ず満月。そんなわけで、開催日は月の動きによって、毎年、微妙に前後します。
ちなみに昨年2017年は、9月21日から10月5日までの15日間。今年2018年は、10月10日から24日までの15日間。そのうち、国民の休日となっているのは、7日目から10日目となっています。
そもそも、このダサイン、女神ドゥルガが、人々を苦しめる魔物に勝利したことを祝うヒンズー教徒のお祭り。
多民族国家で多宗教国家ではありますが、圧倒的にヒンズー教徒が多いネパールでは、ダサインは国民の休日となっています。
でも、最近では、仏教徒も、ご馳走をたべる日として、楽しく過ごしてますね。国民の休日で仕事はお休みですからね。お祭りは何回あってもいいみたいです。
ま~、日本も、キリスト教徒じゃのうても、クリスマス祝うけんね。
みやちか
ダサインに休めないなら、会社をクビになる方がまし?
ダサインは、家族でお祝いする祭りなので、村からでてきた人々はこの時期、一斉に帰省します。日本のお盆休みや正月のように帰省ラッシュとなります。
バスの席を予約するのも大変で、この時ばかりは、臨時バスが運行されたり、グループでバスをリザーブしたりします。
僻地へ帰る人だと片道2日かかるという人もいますが、それでもみんな帰ります。
ダサインに、両親の住む家に帰らないなんてありえないでしょ。
というくらい、家族愛が強く、親族の結束が強いネパール人。
1年に一度、一族が一堂に集まってお祝いする大事な大事な行事なのです。
ダサインは、かつての日本の正月のように、家族で晴れ着を着て、ご馳走を食べ、家長から祝福のティカ(額につける赤い粉)を受けるネパール最大のハレの日。
年長者からティカと共にもらうお金目当てで、子供達は親戚の家々を回ります。これもなんだか日本のお年玉のようです。
かつて、ホテルを経営していたとき、ダサインになると、スタッフが突然消えることが何度かありました。
普通の会社ならダサインの間はお休みになるのが当たり前ですが、観光シーズン真っ只中の秋、ダサインだからと言って、ホテルを閉めるわけには行かず、当然、スタッフも交代でしか休みは取れません。
しかし、中には、仕事をクビになってもダサインに家に帰りたいというスタッフもいます。
海外出稼ぎの人々の帰省が最も多いのこの時期。大事な休暇はダサイン祭りに合わせてとる!
それくらい、ネパール人にとって、ダサインは大事なものなんです。
ダサイン祭の流れ
さて、ダサインは15日間続くお祭りです。と言っても、15日間ずっと何かしているわけではありません。
以下簡単にダサイン祭の流れを説明しましょう。
1日目 ガタスタパナ ダサイン初日。大麦の種を撒きます。家の中に設置された神様の部屋で大麦を発芽させます。10日目くらいには10~20センチくらいの芽が出ます。これをジャマラといいます。
ガタスタパナに撒いた大麦、10日目にはこのくらいの芽がでます。
7日目 フルパティ この日から国民の休日開始。帰省のバスもこの日が当たりがピークでしょうか?
この時期、都市から村へ行くバスはなかなか席が取れません。
8日目 アスタミ ドゥルガ神に生贄を捧げる日です。ドゥルガを祀ったお寺では、この日多くの人々が動物の血を捧げるためにやってきます。首を落とされた動物は、女神の祝福を受けた食べ物として、家に持ち帰られ、ダサインのご馳走となるのです。
9日目 ナワミ 9日目に生贄を捧げる儀式をする家もあります。また、この日は、機械類や刃物、車などを清める儀式が行われる日でもあります。
民族や地方によって微妙に祝い方や儀式の仕方は異なっています。
うちの村のナワミの日
カトマンズから西、ポカラからだと南西に位置するグルミ郡にあるうちのツレアイの村(マガール族の村)では、このナワミの日に一族が一斉にカリを祀った寺院に集まって、生贄を捧げます。
生贄に選べれたうちのヤギさん。
ネパールでは普段から食用といえばオスの肉です。ただしヤギ肉は独特の臭みがあるため普段は、カシと呼ばれる去勢ヤギが食されます。しかし、神様に捧げるヤギは去勢していないボカと呼ばれるヤギに限ります。
いよいよお寺に行くという朝、生贄用のボカは、花輪をかけら、赤い粉を身体中につけられます。
午前9時過ぎあたりから、お寺にヤギを引き連れたラナマガールの一族が集まってきます。
首を切り落とすプジャリの役は、一族の中から独身の男性が選ばれます。選ばれた男性はダサインの初日であるガタスタパナから毎日お清めの儀式をこなしてこの日に備えます。
この日捧げられたのは、やぎ20匹あまり、子供の水牛2頭、鶏5羽くらいだったでしょうか?
お寺の周りには一族が集まり、白い腰布だけを巻いたプジャリ役の男の子が首を切り落とすのを見学。
最近は村でもスマホが普及しているため、儀式を撮影する村人も多し!
首だけをお寺に残し、胴体を家に持って帰る子供たち。
今日から数日はお肉三昧です。村ではまだまだ、ヤギ肉はここぞという時に食べるごちそうなんです。
「早く、ヤギカレー食いたいな」
「俺、もう腹減ったよ」
なんて会話しているんでしょうかね?
10日目 ダサミ メインイベント、家長から祝福のティカをつけてもらう日。ティカをつける時間は占星術師によって発表されます。ちなみに昨年2017年は午前11時55分でした。米に赤い粉とヨーグルトを混ぜて作ったティカとジャマラをありがたくいただきます。
ティカとともにお金ももらいます。日本でいうお年玉みたいな感じです。
自分の家でティカをつけてもらったら、子供たちは親戚の家々を回っておこずかい稼ぎ。月々のおこずかいという習慣がない村では、ダサインの日にもらうお金は一年に一度の大事な大事なおこずかいになっています。
15日目 コジャグラトプルニマ ダサイン最終日、ラクシュミにプジャをします。ダサミからこの日までの間、人々は親戚を訪ね、訪問した先々でティカをつけてもらいます。15日目でダサインは終了です。
*上記ご紹介したのは、一般的なダサインの流れです。ただし、地方や民族によって、祝い方には数多くのバリエーションがあります。
最近のダサインの傾向
多くの人々が一斉に帰省するダサインの間、都市部は急に人口が減って、人通りも車の通りも少なくなります。
家の中で家族とともに祝うお祭り、ダサイン。儀式が行われる日のお寺と、家の中以外はいたって静かなものでした。
でも、最近、そんなダサインにもちょっとした変化が見られるようになってきました。
かつては自分の故郷に帰り、家族で過ごすものだったダサインの期間中に、旅行に出る人が増えてきたのです。
カトマンズの小金持ちの間では、今や、マレーシアや、シンガポール、ドバイ、バンコクといった近隣への海外旅行に出かける人が急速に増えてきました。
ポカラのレイクサイドでも、ダサインの時期に、ネパール人の若者グループや、家族づれの旅行者を見かけるようになりました。
今日もレイクサイドは、ネパール人を避けながら歩かなきゃいけないほど、ツーリストっぽいネパール人がたくさんじゃったよ。
みやちか
もちろん、昔ながらのダサインを過ごす人の方がまだまだ多数ではあるのですが、いろんな部分でモダン化しつつあるネパールの動きが、ダサインにおいても見られるようになってきました。
古き良きネパールを惜しむのは外国人がほとんどで、大多数のネパール人は、変化を喜んで受け入れています。
一介の外国人である私は、ただただ、彼らのいく道を見守るしかできないのですが、一体、どこへ向かっていきたいのかなあと思う、今日この頃のみやちかです。
ダサインの10日後にやってくるもう一つの大きなお祭り『ティハール』については、下記の記事をご覧ください。
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