50歳から海外でフリーランスとして生きる

私流人生の歩き方 目の前の人と向き合うことから始まること

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ネパールのポカラ在住、時々日本やタイ、その他いろんな国に出没する、エディター兼ライター兼コーディネイターのみやちか(Chikako Miyamoto)です。今まで培った編集力を駆使して、50歳からのトキメキのある人生を発信し続けるお姉さん。

こんにちは、ネパールで経営していた宿を売却し、目下フリーランスライターのmiyachikaです。

実は、私の実家は自営業でした。おじいちゃんも自営業でした。

だから、いつも玄関のない家に住んでいました。店から入るパターン。だから、小さい頃は、玄関のある家が憧れでした。

自分は絶対に自営業にはならない。会社員になって、玄関のある家に住むのだと思ったものです。

まあ、途中までは、その予定でした。東京時代は。

でも、血は争えないといいますか、なんでしょうかね。結局ネパールで宿屋をやってました(笑)。宿のロビーの上の階に住んでいたので、やっぱり玄関はありませんでした。

宿を売却し、今は、アパートを借りて暮らしているので、やっと玄関のある暮らしになりました。

でも、今思うと、宿をやっていた時代、プライバシーはあんまりなかったけど、寂しいと思うこともない、それなりに楽しい毎日でした。

人ってないものねだりなんだな、と、改めて思っている私です。

 

なんだか、長い前置きになりました。今日のお話は、自営業と玄関の話、ではもちろんありません。

接客についての話です。

 

 

お客さまを見ることから始めなくてはならない、ネパールの接客の現状

 

さて、まずは最初に問題です。

あなたは、ある会社の新人社員です。上司に来客があり、応接間にお茶を持ってくるように頼まれました。応接間には、上司とお客さまが座っています。さて、最初にお茶を出すのはどちらでしょう?

 

すごく、簡単ですよね。

普通の日本人なら、迷いなくお客さまに出すでしょうね。

 

ところがです。ネパールでは、そうじゃなかったんです。

まずボス。そして、お客さま。

おいおい、逆でしょ!

と思うのですが、彼らにとっては、怖いのはボスの機嫌を損ねることの方なんですよね。

 

それは、うちのスタッフがちゃんとトレーニングされているような子たちじゃなくて、村からぽんってやってきたような子が多かったということもあるのかもしれませんが、往々にして、ネパール人スタッフは、雇用主の顔色を伺う傾向が強いように思われます。

中には、あからさまにごますりというか、おべっかというかそういうタイプの子もいましたし、ボスがいる時といない時でまるっきり態度が違う子もいます。

そういうのをちゃんと見抜けないと、真面目にちゃんとやっている子がかわいそうなんですが、それができるボスは実際のところ少ないかもしれません。

ボスは、スタッフにイエスマンであることを求め、スタッフはスタッフでボスの顔色を伺いながら仕事をしている、こんな状態で、「お客さまを見る」ということをどうやって伝えたらいいのだろう?

それは、ネパールで宿を始めた当初、私がかなり頭を悩ませたことの一つです。(今もそう状況は変わりませんが…)

 

 

マニュアル化できない接客だからこそ、気持ちが大切になってくる。

 

接客はある程度まではマニュアル化できるかもしれませんが、それも絶対的なものではありません。人は一人ひとり好みも要望も違うからです。

それが、世界各国からあらゆる人種、宗教、年齢の違うお客さまが集まる観光地の宿となったらどうでしょう、接客をマニュアル化することなどとても不可能です。

そして、全てのお客さまの全ての要望に応えることも不可能なのです。

もちろん、サービス業である以上、できる限りお客さまの要望に沿いたいとは思います。でも、予算と値段が決まっている以上、いただく金額以上の経費をかけることは会社としてできません。

だからこそ、一人ひとりのスタッフが、どれだけ「お客さまを見て」、「お客さまと向き合う」ことができるか、というのが問われるのです。

 

お客さまがどうしてほしいかを考える。

何通りかの選択肢があるなら、それを提示してお客さまに選んでもらう。

お客さまがより嬉しいのはどっちだろうと考える。

できない、というのは簡単です。でも、それは最後の最後にとっておくこと。お客さまの要望通りにはできなくても、近い方法があるかもしれません。

言えば言うほどわかりにくくなっちゃいますが、一言で言えばこうです。

 

「お客さまがよりハッピーなのはどの方法だろう?」

常にそれを自分に問いかけながら仕事をしよう! それだけです。

 

「ボスの気分じゃなくて、自分が楽かどうかじゃなくて、お客さまがハッピーかどうかを見ようよ」、私がスタッフに言えることは、それだけです。そして、それは常に自分自身にも言い聞かせている言葉でもあります。

 

スタッフに、そのことがどれだけ伝わったかは、わかりません。何言ってんの、この人、と思われたかもしれません。

でも、私と2年一緒に働いて、その後ドバイにシェフとして出稼ぎに出ていったスタッフが、里帰りした時に、私を訪ねてきてくれて、「あなたに言われたことが、ドバイに行って、やっとわかった」って言われた時は、すごく嬉しかった。だから、ぶつぶつ言われても、種まきだと思って、私は、私が信じたことをコツコツ続けていくしかないのだよな〜と思うのです。

 

 

あなたの目の前の人と向き合えていますか?

 

目の前のお客さまと向き合うこと、接客はそこからしか始まりません。

そして、それは、仕事以外の場面でも、人と人が接する時の基本でもあるのだと思います。

一緒に、ご飯を食べている、その目の前の人にちゃんとあなたの意識は向いていますか?

せっかく、今一緒の時間を共有しているのに、スマホばかりが気になって、目の前の人がちゃんと見えてないことも多いのではないですか?

仕事のメールが入ることもあるでしょう。急ぎの返事を要する要件であることもあるでしょう。でも、だいたいのことは、後でも大丈夫なことが多いのではないでしょうか?

何億人という人の中で、奇跡的に出会えた人々との今この瞬間は、貴重でかけがえのないもののはず。

だから、目の前の人ときちんと向き合える自分でありたいと思います。

 

一緒にいるこの時間を、楽しみたいし、相手にも楽しんでほしいと思います。

相手が悩んでいるのなら、話をじっくりきいてあげたいと思います。

新しいアイデアを出し合ったり、お互いに刺激になる時間を過ごしたいと思います。

ただただ、一緒にいるだけで癒される、勇気づけられるそんな友人もいます。

でも、そういう時間って、相手とちゃんと向き合ってないと、得られないんですよ。

そして、仕事でも、プライベートでも、相手とちゃんと向き合うってことは、つまり、自分と向き合ってないとできないことでもあるのだと思います。

 

難しいですけどね〜。

歳とったからできるってもんでもないし、若くでもできてる人はちゃんとできてる。

ただ、できるだけ、そうありたいなと思う、私です。

 

 

 

 

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