インド・ネパールのカレーに欠かせないスパイス、クミンシード【保存版】

ナマステ~、ポカラ在住ライターみやちかです。
今日は、ちょっと毛色が違う記事なのですが、クミンシードというスパイスについて書いてみたいと思います。
クミンシードは、インド・ネパール料理に欠かせない香辛料。
食欲をそそるカレーの匂いはこのクミンシードの強い芳香によるものです。
今日は、あらゆる料理をたちまちエスニック風に変身させてくれる、クミンシードをご紹介しようと思います。
この記事のもくじ
最近、スパイス(マサラ)にはまっています
料理は作るより食べる方が好き。
台所に立つ時間があったら、原稿を書いていたい。
そんな私が何故ほぼ毎日自炊しているのか。
その理由はネパールに住んでいるからの一言に尽きるでしょう。
美味しい外食が食べれる店が少ない。
美味しいところがあっても、毎日外食する経済的余裕がない。
美味しい外食とはいえ、バラエティが少なすぎて毎日だと飽きる。
外食はどうしても味付けが濃く、油っぽいものが多く、毎日だと胃に負担がかかる。
食べたいと思うメニュー(和食、魚料理)がない。
私がほぼ毎日自炊しているなんて、東京時代の私を知る人には驚きでしょうが、こんな理由から自炊することが増えた今日この頃の私。
おいしいものを食べるのがいちばんのストレス発散でもあります。
とは言っても、手抜きのテキトー料理なんですけどね。
けど、食べるなら、やっぱりおいしいものが食べたい。
日本に一時帰国すると、たんまりと日本食材や調味料を買い込んで日本料理もどきもよく作るのですが、せっかく外国に住んでいるのだから、その国で入手できる素材やスパイスを上手に使えるようになりたいもの。
テキトーなりに工夫しつつ、スパイスについても勉強しつつです。
ちなみに、ネパール語では香辛料はマサラと言います。
香辛料が入った紅茶はマサラティー。
料理にも、飲み物にも、時にはお菓子にまで使われます。
だもんで、私もスパイスを煮出してお茶にして飲んでみたり、カレー以外の料理に使えないかとあれこれ試してみたり。
これは、そんな私の覚書のようなものですが、ネパールやインド料理のスパイスについて知りたいという方の参考になれば幸いです。
強い芳香をもつクミンシードとは
…と、前置きが長くなりましたので、そろそろ本題に。
クミンシードは、ネパール語ではジラ(ヒンディー語でもジラ)。
和名は、ウマゼリ。
エジプトが原産のセリ科の一年草で、スパイスとして使用されるのは種の部分。
強い芳香を持つ香辛料です。
クミンシード自体は、日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、クミンシードを粉にしたクミンパウダーは、日本のカレー粉やカレールーにも必ず含まれています。
カレーのあの独特の匂いはクミンシードの匂いで、毎日カレーを食べるインドやネパールでは、クミンシードはなくてはならないスパイスなのです。
クミンシードは、消化を促進し、食欲を増進させるスパイスとして、古くからインド・ネパール料理をはじめ、トルコ料理やメキシコ料理、スペイン料理などに使われてきました。
ネパールでは、マタニティー時の便秘や吐き気の改善や、出産後の母乳の出をよくするスパイスとしても使われることもあるようです。
インド・ネパール料理におけるクミンシード使われ方
インド・ネパールでは、クミンシードは日々の料理になくてはならないスパイス。
日本の台所にはもれなくお醤油や味噌があるように、ネパールの台所にはもれなくクミンはあります。
カレーにはたくさんの香辛料が使われていて、香辛料の組み合わせは、それぞれの家庭やお店で異なっており、それがお袋の味であったり、お店の秘伝の味だったりするのですが、クミンシードが入ってないカレーはまずあり得ません。
クミンシードはそれくらい定番中の定番の香辛料といえます。
野菜のカレー、お肉のカレーにはもちろん、スープや炒め物の香りづけに使われます。
ネパール式餃子のモモ、ネパール式焼きそばのチョウメンや、フライドライス(焼き飯)、何にでもクミンシードは入っているように思います。
そうそう、クミンシード入りのクッキーなんてのもありますね。(これが意外と癖になる味なんです。大人の味わいですよ)
が、しかし、クミン独特のこの匂いは、日本人には、好き嫌いが分かれるところかもしれません。
日本からのお客様の中にはこの匂いがダメという人がいて、ツアー中の食料は全て日本から持ってきていましたね。
その逆に「全然、大丈夫、クミンの匂い大好き、毎日ダルバートでいい」という方もいますけどね。
クミンはホールとパウダー、どちらが使い勝手いいの?
お店や市場では、クミンシードを粉にしたクミンパウダーも、クミンシード(粉にしないものはよくホールと言われます)ままのものも、どちらも簡単に入手できます。
香りが良いのは、断然ホールのクミンシードです。
コーヒー豆の香りが、粉よりも豆の方が長持ちするのと同じです。香辛料も粉にしてしまうと香りがとびやすくなってしまいます。
ひきたての香りはやはり違います。
だから、クミン独特の芳香を満喫したいなら、ホールのまま保存し、使うたびに挽くのが一番です。
ネパールの一般家庭では、シロウタと呼ばれる石のまな板のようなものがあって(中には、すり鉢っぽい形のものもありますが)、毎回、カレーを作るたびに、クミンや、唐辛子、生姜などの香辛料をすり潰します。粉というよりはペースト状のものになります。
ただ、最近は、パウダーを使う人も増えています。クミンパウダーなら、スプーンですくってさっと入れるだけ、毎回すりつぶす手間がかかりませんし、焼きそばや焼き飯にちょっと入れたいなというときも簡単だからです。
日本でも鰹節のダシを毎回取るのは面倒だからとダシの素を使いますが、それとおんなじ感覚ですよね。
でも、私は、断然ホール派。
毎日カレーを使うわけではないから、パウダーのものを買ってもたいして使わないのに香りが飛んでしまうし、ホールの方がカレー以外のものにもいろいろ使えるからです。
ネパール式野菜カレータルカリを作るときは、すりつぶしますが、ドライカレーや、サラダのドレッシング、スープに仕上げの香り付には、断然ホールの方が使いやすいのです。
喉がイガイガするな~ってときは、コップいっぱいの水に小さじいっぱいくらいのクミンシードを入れて煮出して飲んでみたり。
いろいろ実験しながら(時には、失敗ってこともありますが)みやちか流の使い方で、楽しんでいます。
クミンシード一匙加えれば、いろんな料理が、たちまちエスニック!
強い芳香が魅力のクミンシード、カレーに使うだけではもったいない!
ということで、最後に、一匙であらゆる料理をエスニックに大変身させるクミンシードを使ったみやちかレシピをご紹介したいと思います。
ただし、私の分量は、いつものごとくテキトーなので、皆様のお好みの味にテキトーにアレンジしてくださいね。
なお、ここで使うのは、より香りが楽しめるホールです。
ポテトのクミン炒め(ジラアル)
ネパールでは、とってもポピュラー、ジラアルの名前でよく食べられている料理です。
ネパール人は唐辛子を入れて辛くするのを好みますが、ここでは、唐辛子は抜いてます。
仕上げにカレー粉を加えて、カレー味にすれば、子どものおやつにもぴったり。コショウをたっぷり効かせれば、ビールのつまみにも。
1. ジャガイモは皮をむいて、適当な大きさに切り、ゆがいておきます。
2. フライパンにサラダ油とクミンシードをを入れ、火にかけます。クミンシードを加え、焦がさないように弱火で加熱してください。
3. クミンシードが薄く色づき、いい香りがしてきたら、ゆでたジャガイモを加え、塩、コショウ、カレー粉で味を整えてください。
ポテト以外でも、キャベツやカリフラワーなどで応用できます。カレー粉を多めに入れれば、ドライカレーが簡単にできます。
ニンジンのクミンドレッシングサラダ
いつもの人参サラダが、クミン一匙であっという間にエスニック風味のサラダに変身。
人参以外にもいろんな野菜に合います。
サンドイッチに挟んだり、お肉料理の付け合わせ、カレーのサイドディッシュに!
1. ニンジンは千切りにします。
2. オリーブオイル、レモン汁、クミンシード、塩、コショウを混ぜてドレッシングを作ります。
3. ニンジンとドレッシングをよく混ぜ合わせ、少しなじませてから召し上がってください。
人参の代わりに茹でたカリフラワーや、ズッキーニなどでアレンジ可能。
仕上げにコリアンダーの葉(パクチーという方が知られてますかね?ネパール語ではダニアです)を刻んでかけるとさらにネパール臭がアップします。
クミンライス
インド・ネパールでは、カレーに合わせるご飯として、クミンの香りを効かせたクミンライスが出されることもあります。
ごはんをクミンとギー(無塩バターのようなもの)で炒める方法もありますが、ここでは、もう少しあっさりとしたクミンと一緒に炊き込む方法をご紹介します。
1. 小さいオイルパンに油とクミンシードを入れ火にかけます。(オイルパンがなければ普通のフライパンで代用してください)
2. クミンシードを焦がさないようにゆっくりと加熱します。クミンが薄く色づき、いい香りがしてきたら火を止めてください。
3. 炊飯器に米と水を入れてください。そこに、炒めたクミンとオイルを加えます。後は、いつも通りに炊くだけです。
クミンライスにしただけで、いつものカレーがぐんとエスニック風に変身します。また、クミンオイルは、いろんなスープの仕上げに使うと、エスニック風の香りのするスープが、簡単に楽しめます。ネパールでは、よく豆のスープの仕上げに使われます。
さいごに
こんな記事を書くと、料理できるみたいに見えますが、結構失敗もするダメダメ主婦です。
ツレアイと食べるご飯はダルバート(ネパールの代表的料理)なのですが、そのとき以外はほとんど出番がなかったクミンシードを、ダルバート以外で使えないものかと思ったのが、クミンレシピを考えるきっかけでした。
でもって、ありがたいことに、ネットで調べればいろんな人のレシピが見れちゃう世の中です。
調べつつ、作りつつ、試行錯誤して、でも、結局定番で残るのは、簡単に作れるものばかり。
料理好きの人には珍しくもないレシピばかりですが、クミンシードは家にあるが、ダルバート作るくらいしか使ってないという方には、ちょっとはお役にたつかなと思います。
ではでは、また~。