50歳から海外でフリーランスとして生きる

『ドクター・ストレンジ』や邦画『エヴェレスト』に見る外国人がネパールに抱くイメージ

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ネパールのポカラ在住、時々日本やタイ、その他いろんな国に出没する、エディター兼ライター兼コーディネイターのみやちか(Chikako Miyamoto)です。今まで培った編集力を駆使して、50歳からのトキメキのある人生を発信し続けるお姉さん。

こんにちは〜、チェンマイからmiyachikaです。

さて、昨日、学校がお休みの娘と一緒に初めてタイの映画館に行ってきました。

映画はズバリ、『ドクター・ストレンジ』(マーベルスタジオ)。

原作はアメリカンコミックで、元天才医師という経歴を持つ魔術師ヒーロー、ドクター・ストレンジが活躍するアクション映画です。

なぜ、この映画に興味を持ったかというとですね、

一部のパートはネパールで撮影されたからなんです。

さて、映画の中のネパールは、一体どんな風に表現されているのでしょう。

そこに、外国人が抱くネパールのイメージが見えてきます。

 

 

ヒマラヤとヒマラヤの民シェルパのイメージ、依然強し

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チェンマイでの映画鑑賞だったので、字幕はもちろんタイ語。

なもんで、話の微妙な部分は理解できたような、できてないような、ちょっと未消化ではあるんですが、基本、ヒーローアクション物。スカッと面白く楽しめればいいんです。

とにかく、ものすごく早い画面展開が迫力満点で、美しかったし。(大きな画面で見た方がよいですよ、これ)

で、もちろん、映画のあちこちに美しいネパール街並みや中世の建築物は出てまいります。

カトマンズ盆地の全景が出てきたところで

「なつかし〜」と呟く娘。

 

あ〜、ここは、パシュパティナートだ、とか

インドラチョークからちょっと入ったところじゃない? とか

これ絶対パタンだよね、とか

2人でこそこそ話の私たち親娘。

他の人たちと盛り上がるところがまるっきり違っております。

 

基本的にネパールのネワール様式の建築物やレンガ色の街並み、お寺などが、実物以上にその不思議な魔術ワールドにふさわしい妖しさも放ちながら出てきます。

妖しくも美しい、そんな感じです。

ただね、こんなこと言ったら、この映画を見てネパールに憧れを抱いた人を幻滅させてしまうかもしれないけど、ネパール在住者からみたら、

 

こんな幻想的な怪しげなところばっかじゃないし、

まるっきり違う場所だよね〜って感じ。

 

ま〜、写真と一緒で、映像ってすごく嘘つきですものね。

照明の当て方や風景の切り取り方で実際とはかなり違うように見せられます。

そして、それが悪いって言うんじゃないんです。

映画がそのシーンに求めるような映像を作るのは当たり前ですもん。

でもね、外人がネパールに抱くというか、求めるイメージみたいなのがここから見えてきます。

ヒマラヤとヒマラヤの民シェルパと前近代的なイメージが強いんだなあって。

そして映像の中では、前近代的な部分だけが切り取られた虚構の街が作り上げられていました。

 

 

『エヴェレスト』でもシェルパドレスの女性が目立っていた

 

実際のカトマンズはどうかというと、もちろん、古い建物も残っていますが、新しいビルもあちこちにあり、ショッピングモールもあれば、おしゃれなカフェもあり、若い子たちはジーンズでスマホです。

映画の中のように、民族衣装を着た人が溢れているわけではありません

今でも民族衣装を着る人は年配を中心にいることはいます。でも、カトマンズの街中で、あんなにたくさんのシェルパの民族衣装の女性に会うことはまずないでしょうねえ。

だいたいシェルパは高地の村に住む民族で、カトマンズ盆地にはそんなにたくさんのシェルパは住んでいないですもの。

 

この件については、夢枕獏原作の邦画『エヴェレスト 神々の山嶺 』を見た時にも思いました。

どうも、欧米人や日本人が思い浮かべるネパール人のイメージって、シェルパのイメージが強いようです。

阿部寛演じる羽生がシェルパの娘と結婚して住んでいる村はカトマンズから車で日帰りできる郊外だっていうのも、ないでしょ、それって感じですし。

本当なら、シェルパの住む集落って、バスで1日、その後最短でも歩きで3〜4日はかかると思うのですが、映画の設定上それは遠すぎたのですかね。

しかし、山登りに興味がある人を除くと、ネパールに詳しいって人もそうそういないし、だから、ネパールのイメージがヒマラヤとシェルパに偏ってしまっても仕方ないのかもしれませんね。

 

欧米人が、日本と聞いて、忍者と寿司と着物姿の日本女性を思い浮かべるのと同じレベルで。

 

 

 

先進国の対局にある神秘に包まれた理想郷

 

「ドクター・ストレンジ」の中で描かれるカトマンズは、先進国の対局にある、前近代的でありながら、神秘に包まれた理想郷のように描かれています。

邦画「エヴェレスト 神々の山嶺」の中では、カトマンズは、前近代的で、混沌としたアジアの街って感じでした。

ないものに憧れるってことしょうかね。

 

まあ、いずれにしても、映画の映像はその一部を切り取ったものだから、実際にカトマンズの街に足を踏み入れると、また違った印象をたれることと思います。見る人にとって、それぞれの感想があって当然。

 

でも、映画の中のシーンのような光景が、今でも、街のあちこちに密かに点在していることも確かです。

カトマンズの街を 、映画のワンシーンの場所をさがして歩くのも楽しそうではないですか。

なので、映画でネパールに興味を持った方がいたら、ぜひぜひネパールにいらしてくださいね。

(それにしても、ドクター・ストレンジの続編が気になるわ!)

 

 

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