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ネパールに移住するなら知っておきたい、海外送金が難しいネパールの銀行事情

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ネパールのポカラ在住、時々日本やタイ、その他いろんな国に出没する、エディター兼ライター兼コーディネイターのみやちか(Chikako Miyamoto)です。今まで培った編集力を駆使して、50歳からのトキメキのある人生を発信し続けるお姉さん。

 

ナマステ~、ネパール暮らし20年のフリーランスライターみやちかです。

 

ネパールで暮らしていて、不便に思うことの一つに海外送金があります。

 

よほどの大金でもない限り、日本において、海外に送金するのはそんなに大変なことではないでしょう。ある一定の手続きを銀行で行えば、送金できるはずです。

 

でも、ネパールでは、それがとっても難しく、面倒なんです。

 

実は、娘がタイの学校に行くことになった時、私のルピー口座から学費を送金することができなくて困ったことがありました。

 

今日は、そんなネパールの送金事情をお話ししたいと思います。

 

 

ただし、ネパールの銀行事情は日々予告もなく変化する可能性も大。

 

今回の記事は、私の体験に基づいて書いておりますが、もしまちがっている箇所などあればご指摘いただければ幸いです。

 

 

基本、ネパールルピーは海外へは送金できない

 

うちの箱入り娘もタイの学校で2年の寮生活を経て、最近は随分とたくましく成長しました。

 

高3は生徒会副会長を務めるとか聞くと、『へ~、人前に出るのとか苦手だと思ってたあの子がね~』と親としては感慨深いものがあります。

 

というのは、おいといて、本題に入りたいと思うんですが、今日の本題は「基本的にネパールから海外へは送金できない」って話です。

 

全然できないってわけではないんですが、基本、できません。

 

じゃあ、商売していて、海外から商品を購入した場合の支払いはどうするの?とか、海外に留学しているネパール人の学生の学費はどうやって支払っているの?っていう話になるかと思うのですが、そういう場合は、許可書を銀行に提出すれば送金できます。

 

海外送金するためには、ネパールラシュトラバンク(日本でいう日本銀行にあたります)の許可が必要なんです。

 

が、その許可だって、簡単じゃないから面倒なんです。

 

ちゃんと海外の企業なり、学校なりからの請求書が必要ですし、それ以外にもケースバイケースで違ってくる、あれやこれやの必要書類(学費なら入学許可書とか)が求められます。

 

それで、許可を得て、送金できるのは、請求書に書いてある金額のみ。

 

海外で働いている親戚が事故にあって、入院費が必要な場合に、ちょっと10万円ばかり送金するってようなことは不可能なわけです。

 

一部の例外(ネパールラシュトラバンクの許可がある場合)を除くと、ネパールルピーは海外送金できないというのが基本です。

 

 

外国人の場合、ルピー口座から海外送金はできないが、ドル口座からなら可能

 

そんな状況の中、娘のタイの学校の学費をネパールから送金しなくちゃいけないことに。

 

さて、どうしたものか?

 

自分の口座のある銀行に聞きに行くことにしました。事情を説明し、どんな書類を揃えればいいの? って。

 

そしたら、なんと、うちの銀行(ちなみに私のルピー口座の銀行はNepal Investment Bank)、外国人の所有するネパールルピー口座からは、海外送金はできないっていうんです。

 

ネパール人が自分の子を海外に留学させる場合、ネパールラシュトラバンクの許可を得て学費を海外送金することは可能であるが、外国人の場合はダメだというんです。

 

まあ、娘の学費の場合は、最悪うちのツレアイの口座にお金を入れて、うちのツレアイにラシュトラバンクの許可とってもらってという段取り踏むという手もあるんですけどね。

 

ただ、幸いなことに、私は、別の銀行(Standard Charterd Bank)にドル口座も持ってまして、学費にちょうど必要な分は入ってたんです。

 

ルピー口座に比べるとドル口座の場合は、随分と待遇が違います。

 

外国人のドル口座からの海外送金の場合、学校からの請求書を提示すれば、ネパールラシュトラバンクの許可はいらないんです。

 

娘の学費ですって言って請求書を見せたら、30分くらいで手続き終了しました。外国人の場合、ドル口座であれば、請求書を見せれば送金できるらしいということはわかりました。

 

ただ、学費以外の請求書でも可能なのか(例えば個人で海外から商品を取り寄せたい場合とか)、請求書なしでも可能なのかまでは未確認。

請求書なしだともしかしたら難しいかもしれませんね。

 

ちなみに銀行以外のウエスタンユニオンなどの海外送金サービスを提供する金融機関を使っても海外に送金することはできません。

 

ネパールのウエスタンユニオンは「ネパールの外からネパールに向けての海外送金の受け取り専用窓口」と解釈するのが正しいようです。

 

 

ネパール国内では、『ルピーを外貨に両替できない』という問題

 

そんなわけで、初年度の娘の学費はドル口座から無事送金することができました。ただし、学費は一年で終わるわけではありません。来年度のことも考えねばなりません。

 

ドル口座から送金できるんだから、ネパールルピーを両替してドル口座に入れたらいいじゃんと思うかもしれませんが、それができないのがネパール。

 

原則として、ネパールルピーは外貨に両替できないんです。

 

そうなんです。ネパール国内において、外貨をネパールルピーに両替することは可能ですが、なんとその逆は基本不可なんです。(あくまでも、基本、合法的にってことですけどね。何かと例外の多い国です)

 

合法的に再両替が認められているのは、外貨をネパールルピーに両替したレシートの額面の15%。しかも両替レシートを提示する必要があります。

 

両替したけど、ちょっと余っちゃったな~という観光客向けのとってつけたようなサービスのようなもの。正直、あまり、親切とはいえませんが、全然できないよりはいいですよね。

 

(ちなみに、ツーリストの場合、ネパールルピーは、余ったら再両替するか、使い切るかに限ります。再両替するならネパール国内でしかできませんので要注意。海外では、ネパールルピーは紙くずと化します。

 

話がずれましたが、つまり、言いたいことは、私のルピー口座のルピーをドルに両替して、ドル口座に入れることは、法律上できないことになっているってことです。

 

じゃあ、ドル口座って一体なんのためにあるのってことなんですが、海外からの送金をドルで受け取ることができ、海外へドルを送金することができるのがドル口座。

 

ネパール国内でもドル口座のお金を引き出すことはできますが、引き出す時はルピーに両替されてしまいます。

 

ちなみに最近、ネパール人の海外旅行(ドバイ、バンコク、マレーシア、シンガポールなど)が流行っておりますが、彼らは一体どうしているのか?

 

海外旅行へ行く人は、銀行でパスポート、ヴィザ、航空券、日程表などを提示すると、一定の金額のドル(2,500ドル)への両替が可能なようです。

 

ただし、この措置も、ネパール人向けのみで外国人には適用されません。

 

ネパール銀行の方針は、ネパール在住の外国人に対しては、『外人なんだから、外貨のことは自力でなんとかしなさいよ』ってことらしいです。

 

 

海外送金、両替についての今日のまとめ

 

以上、なんだか長くなってしまいましたので、言いたことをまとめてみました。

 

  • 日本からネパールへ送金はできても、同じようにネパールから日本へ送金はできません。ネパールからの海外送金は日本で考えている以上にかなり厳しく制限されています。
  • ネパールのルピー口座から海外送金する場合は、ネパールラシュトラバンクの許可が必要です。
  • ネパールから海外送金する場合は、請求書の額面通りの送金しかできません。つまり、請求書のない、息子や娘への生活費などは送金できないということです。
  • ネパール国内で外貨をルピーに両替することはできますが、その逆は合法的にはできないことになっています。(ツーリストに限り、両替レシートの15%が再両替可能)

 

ネパールにおける外貨事情、送金事情は上記のような状況です。

 

 

そこから引き出された私の教訓は、

 

  • ネパールへの送金は必要最低限。
  • ネパールルピーへの両替も必要最低限。

 

ってこと。

 

一生ネパールに住むつもりであるとしても、何が起こるかわからないのが人生。いつ何時、日本に帰国せざるを得ない状況になるやもしれません。

 

また、ネパールに住んでいたとしても、たまには日本に里帰りしたいし、そうなると外貨がどうしても必要です。

 

海外生活、自分の生活は自分で守れが基本です。

 

お金のことは暮らしの上では避けて通れないのでやはりおそろかにはできません。

 

これから海外での生活(特にネパールやアジアで)を考えている方や、ネパールと仕事やボランティア活動で関わっているという方の参考になれば幸いです。

 

 

 

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ネパールのポカラ在住、時々日本やタイ、その他いろんな国に出没する、エディター兼ライター兼コーディネイターのみやちか(Chikako Miyamoto)です。今まで培った編集力を駆使して、50歳からのトキメキのある人生を発信し続けるお姉さん。

Comment

  1. アバター きなこちゃん より:

    こんにちは!いつも楽しく拝見しています。

    これネパールで起業する人にとってはかなり切実な問題なんですよね。
    以前から色々と調べてはいるのですが、現地法人を外国人出資100%で作った場合でも
    その出資した外国人の母国の口座には例え報酬としてでも1円たりとも
    送金はできないんでしょうか?

    出来ると書いてあるページもあり、出来ないと書いてあるページもあり非常に混乱しています

  2. アバター ガネーシャ より:

    はじめまして!ネパール人彼と交際している者です。今回のブログを読んでビックリしております!彼のご両親は毎回ネパールから日本に学費を送金していますが、一体どうやっているのでしょうか!?

    • アバター miyachika より:

      ネパール人が自身の子供の授業料をネパールから海外へ送金することは、学校側からの請求書を提出すれば可能です。ただし、金額は請求書の額面通りで、請求書の発行者にしか送金できません。

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