子連れ海外ロングステイのための学校選び【アジア編】
サワディーカー! ひとり娘をチェンマイの学校に通わせているネパール在住ライターのみやちかです。
私は、海外在住歴20年越え、今年18歳の娘は海外で生まれ、海外育ち。
何語で育てるべきか、どのような学校に入れるか、その時々でさんざん悩んできました。
そして、紆余曲折あって、娘は今、タイのチェンマイにあるインターナショナルスクールに寮から通っています。
そんな私と娘の体験も交えながら、これから子ども(小学生~中学生)を海外の学校に入れたいと思っている方に向けて、学校選びについてのポイントをまとめてみました。
この記事はこんな人にオススメです
- これから子連れでアジアへの海外赴任が決まっている方
- これから子連れでアジアにロングステイしようと考えている方
- これから子連れでアジア移住しようと考えている方
- 配偶者が外国人で、配偶者の国に住んでいる方、あるいは住もうと考えている方
家族で海外移住 学校は4種類
1、全日制日本学校
海外で日本と同じ教科書を使い、日本とほぼ同じ教育課程が受けられるのが全日制日本人学校。原則として、日本人を両親、あるいは片親に持つ子どもを対象としています。
そのため、在住日本人が多い国、地域でなければ存在しません。
また、国内の市町村立の公立小学校と違い、授業料は無料ではなく有料です。その金額は国や地域によって様々で、私立やインターナショナルスクール並みに高額であることもあります。
2、日本語補習授業校
在住日本人はいるが、全日制の日本人学校を運営できるほどの人数が集まらないような地域では、全日制の日本人学校の代わりに、週末や放課後のみ開校される日本語補習授業校が設置されます。あくまでも補習的な授業で国語と算数が中心になります。
補習校に通うだけでは全日制の学校課程を終えたとは見なされませんので、現地校かインターナショナルスクールに通いながら日本語補習授業校にも通うことになります。
3、現地校(ローカルスクールー現地の公立、私立の学校)
当たり前のことですが、現地の公立学校の授業はほとんどの場合、現地語で行われます。そのため、現地語の読み書きができないとかなり厳しいのが現状。
また、国によっては、外国人の子どもは、公立の学校では受け入れないというケースも。
私立の場合は、現地語がメインの学校、現地語がベースだが英語にも力を入れている学校、英語での授業がメインになる学校など様々。国によっても英語教育への力の入れ方は変わってきます。
アジアの中でも英語教育に積極的なのは、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インド、ネパールなど。
私の住むネパールでは、私立の学校は、国語以外の全ての教科を英語の教科書で勉強します。
4、インターナショナルスクール
定義が難しいのですが、ここでいうインターナショナルスクールとは、アジアにおけるアメリカンスクールやブリティッシュスクールを意味することがほとんどです。
ベースはアメリカやイギリスの教育課程に沿い、英語による授業が行われるのですが、アメリカ人、イギリス人だけのための学校というわけではなく、現地の子どもやその他の外国人を受け入れています。
ただ、デメリットは、授業料の高さ。経済的な余裕がある家庭でないと厳しいかもしれません。
家族で海外移住 学校選び、5つの選択肢
海外における学校選びは、組み合わせによって以下の5つの選択肢が考えられます。
1、全日制の日本人学校
初めから期間限定で、期間終了後は日本へ戻る予定である場合、子どもにとってもっとも負担が少ないのは、日本人学校でしょう。
その代わり、海外に滞在している割には、海外の文化に触れる機会は少なくなるかもしれません。
2、現地校
現地校はほとんどのアジアの国において、もっとも授業料がかからない選択肢ですが、現地語が話せないと難しいというデメリットがあります。
しかし、現地語をマスターし、現地の文化を学ぶなら、現地校が一番です。
国際結婚で子どもが現地語を話せる場合、配偶者の国に家族でこれから移住しとうという場合、両親とも日本人ではあるが現地に永住する予定である場合は、この選択肢もありでしょう。
3、インターナショナルスクール
授業料は高額、しかも英語ができることが前提であるのが、インターナショナルスクール。
数年毎に海外の様々な国を転勤するような家族や、海外のさまざまな国を移動しながらロングステイする家族、あるいは高校~大学は英語圏で教育を受けさせたいと考えている家族のための選択肢と言えるでしょう。
4、現地校+日本語補習授業学校
このパターンを選択するのは、国際結婚で、配偶者の国に永住する予定ではあるが、子どもに日本語もできるようになってほしいと願う場合でしょうか?
国際結婚ではあるが、期間限定の滞在で、いずれ日本に帰る可能性が高いが、父あるいは母の母国語や文化を学ぶために数年間は現地校に通わせたい、というパターンもあるでしょう。
うちの娘の場合は、これが一番近い選択だったかと思います。
ただ、ポカラには日本語補習授業校はありませんでした。でも、ないものは作ってしまえということで国際結婚組の日本人が数名集まって、毎週土曜日2時間程の日本語の授業を親が中心になって任意で行なっていました。
ただし、子どもにとっては、かなり負担が大きくなります。何しろ、本来なら休みの日にも日本語の学校に行かなくてはならないのですから。
5、インターナショナルスクール+日本語補習授業学校
この選択肢を選ぶのは、どのような事情からでしょうか。
将来的にも日本には多分帰らないし、高校あるいは大学への進学は英語圏の国を考えている、でも、やはり親としては、日本語も少しはわかるようになって欲しいというようなパターンなのか。
はたまた、配偶者が英語が母国語で英語と日本語両方マスターしてほしいというパターンか。
あるいは、日本にいる時からインターナショナルスクールに通っていたか。
まあ、いずれにしても 4番同様、子どもにとってはストレスが高く、大人にとっては懐が痛む選択になるかと思います。
海外移住先の状況で、学校の選択肢は変わる
以上、5つの選択肢をご紹介しました。
しかし、実際には、住む国、住むエリアによっては、現地校しか選択肢がない場合も多くあります。
企業から派遣される駐在さんの場合は、日本企業をはじめ世界各国の企業が多く進出している都会に派遣されることがほとんどなので、選択肢の幅は広いでしょう。
でも、配偶者の生まれ故郷だったり、外国人の在住者が少ない街では、日本人学校はもちろん、インターナショナルスクールさえないという状況もあり得ます。
例えば、ネパールの首都カトマンズの場合、全日制の日本人学校はありませんが日本語補習授業校はあるので、選択肢は2~5番までの4つです。
でも、ネパールの地方都市ルンビニの場合だと、選択肢は2しかありません。
タイの首都バンコクであれば、全日制の日本人学校があるので(その代わり日本語補習授業校はありません)選択肢は1~3番という具合になります。
タイの地方都市チェンマイの場合は、カトマンズ同様、2~5番までの選択となります。
住みたいエリアの中で学校を選ぶのか、行かせたい学校のある地域に住むのか、子連れ移住の場合は、その辺りも移住先選びのポイントになってくるかもしれません。
海外での学校選びで、一番大切にしたいこと
海外移住で学校を選ぶには、
- 期間限定か、永住か
- 両親の国籍、本人の国籍
- 将来の進学先
- 経済的な問題
- 子ども本人の語学力
というような点を考慮する必要があることは、上記を読んでおわかりいただけたかと思います。
しかし、最もの大切なのは、やはり、子ども本人の意志や気持ちじゃないかと私は思います。
そうはいっても、10歳にも満たない子どもの場合、進学というようなシリアスな問題に対して、ちゃんとした判断ができるのかと、反論があるのもわかります。
もちろん、すべて子どものいう通りにしろというのではありません。
ただ、子どもにも関わることですから、子どもの意見をまずは聞いてみる、それが子どもなりの意見であったとしても、子どもの気持ちをわかった上で判断することは親にとっては必要なことだと思うのです。
そして、それは子どもにとっては、小さい頃から、選択肢の中から自分なりに考えて選んだり、選択肢の中に気に入ったものがないのであればそれに代わる案を考えるたりする機会にもなります。
特に、先生の言うことが正しい、子どものは先生や親の言うことを聞いていればいい、というような風潮が強いアジアにおいては、家庭での子育てを通して、子どもが自分で考える訓練をしていかねばならないと、ネパールに暮らして常々私は思うのです。
家族での海外移住につきものの学校選びの問題には、これが正しいという答えはありません。
それは、それぞれの家族の生き方や子どもの将来の希望などで大きく変わってくるからです。
いずれにしても、大きな選択になりますので、家族で十分に話し合った上で、決断する必要があるのではないでしょうか?
最後にうちの娘の高校選びにまつわる体験については以下をご覧ください。